シンガポール視察 平成26年1月26日(日)~1月29日(水) 3泊4日
(財)自治体国際化協会シンガポール事務所
 CLAIRシンガポール事務所を訪れた。
 CLAIRは「地域の国際化」のために、日本の地方自治体による海外の自治体との交流・国際協力・観光や物産などの経済活動を支援するための財団であり、ベトナム・インドネシアなどのアセアン10ヶ国とインドを所管している。職員は全国自治体からの派遣24名で構成され、大阪府では堺市からの派遣職員1名が常駐。所長は総務省職員。
 CLAIR訪問の目的はシンガポールにおける政治経済の最新情勢、特にIR含む観光政策・教育ICTについて包括的な概況を聴取することである。

✿概要

シンガポールは国土面積が715.8㎢で、琵琶湖に相当する小さな都市国家である。人口は531万人(うち外国人149万人)民族は中華系74%マレー系13%インド系9%などで、英語・中国語・マレー語・タミル語を話す。宗教は仏教・イスラム教・キリスト教・ヒンドゥ教など。赤道からわずか137㎞の常夏の国である。
 第2次世界大戦後イギリス直轄植民地となるもマレーシア連邦として1963年独立。1965年マレーシアからひとつの州として独立。大統領を元首とする立憲共和国となる。
 現在はトニー・タン大統領のもと、統治権はリー・シェンロン首相が握る。独立後48年間でたった3人の首相しか出ていない安定政権。一院制の議会構成は、与党PAP(Peoples Action Party)81議席:野党6とほぼ一党独裁であることも重要なポイントである。

✿シンガポールの観光

建国以降の来訪者が伸び悩み、1964年労働問題が深刻化し、労働集約的な観光産業に力を入れる。
①1996年 ビンタン島開発:ツーリズム21策定        :10万人
②2005年 IR計画促進法:ツーリズム2015策定      :770万人
➂2012年 2つのIR完成:ツーリズムコンパス2020策定  :1440万人

シンガポール政府観光局(STB)の主要戦略 “ツーリズム2015”
*アジアにおける先進的な国際会議や展示会の開催場所としてのシンガポールの地位をより強固なものにすること
*個性的な体験ができるシンガポールを発展させること
*教育・医療・金融のサービス分野において、質の良いサービスを提供できるシンガポールを確立すること

✿シンガポールの教育

・2013年教育予算は歳出の19%(国防費に次ぐ規模):有能な人材育成が国家戦略である
・徹底した試験による能力主義に応じた教育体系があり、振り分けられている
・また英語と各民族の母国語の二言語主義を採っている。共通言語としても国際社会での必須言語である英語教育は徹底している一方で、多民族が構成するシンガポールにおいては各民族の文化の継承やアイデンティティーの尊重の意味から母国語教育も行われており、帰属意識の醸成に配慮されている。
・ICT教育も1997年にICT教育マスタープラン→2003年マスタープランⅡでフューチャースクール認定→2009年マスタープランⅢでその強化と拡大を図った

✿シンガポールの社会保障

CPF
 年金と社会保険はCPF基金に自ら積みたて(給料の36%)を強制的に行い、必要な医療費などはそこから引かれるという独特の社会保障制度を構築。
 ただ、経済的に厳しい人に対する生活保護制度はあるとのこと。

今後の展望

✿シンガポールの優位性

 東南アジアの中心に位置し、天然の良港に恵まれ、都市国家として政策の徹底が行うことができる。緑豊かな環境。治安もよく、町がキレイで都市インフラが整っている。その上、世界に通用する高度な英語教育や高等・大学教育なども整備され、国際的人材輩出の素地ができている。

✿シンガポールの課題

 国土が狭い上、歴史的建造物や自然などの観光資源に乏しい。物価が高く、旅行者の出費が観光立国でありながら非常に高いことも挙げられる。そのような中、いかにして新しい付加価値を生み出していくかが課題と言える。